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2021.11.08
コラム

開幕目前!北川フラム総合ディレクター連載「しっかり毎日フラム新聞」 第2号

 市原市は主として三つの地域の特色があります。日本有数の工業地帯、ベッドタウン、土地の半分でありながら人口が一割の里山地域です。 この南部に通っているのが小湊鉄道です。1925年に開業され、五井駅から上総中野駅まで単線で18つの駅があり、アート×ミックスでの作品展開は五井駅から養老渓谷駅までの17駅です。以前はこの鉄道が生活の主動線でしたが世の習いで利用者が激減し、2019年の台風・洪水にやられて、やっと最近、全線開通したところです。

 

 当初の予定から一年半延期されましたが、この台風・水害・コロナ禍を超えて、最初の目的のように、小湊鉄道を軸にして、市原の里山探訪をベースにした芸術祭が開催されます。 小湊鉄道の駅にはチョアン・チーウェイの旅の記憶を書き込める電光掲示板、レオニート・チシコフの月や宇宙をテーマにした7つの作品群、アレクサンドル・ポノマリョフのピストンの原理を利用した永久機関、小湊鉄道の列車を使ったザンナ・カダイロバの銀河鉄道、アデル・アブデスメッドの宙づりピアノ、ジョアン・カポーテのぽつんとたたずむスーツケースの壁、成田久の駅のショーウインドー、西野達の駅に隣接した〈上総久保ホテル〉、藤本壮介の女性一人向けの世界一大きなトイレ、ターニャ・バダニナの光る翼、ソカリ・ドグラス・カンプの市原で手作りの貨車など、これだけでたいへんな作家の楽しい作品が続きます。お楽しみに。

 

 このなかで楽しいのは上総村上駅のチシコフ(ロシア)によるホームのベンチに座っている宇宙飛行士の村上氏です。彼はこの間芸術祭の予定につられて、ホームに登場したり、退場したり大忙しでした。駅を利用するお婆さまが、ながながと話しかけたりしている写真まで撮られていました。ついに彼の出番が本格的にやってきました。

(11月6日)

 

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