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2021.03.16
コラム

北川フラム総合ディレクター アーティストWEBインタビュー vol.12「新たな試み」

 今回は旧平三小学校に作品を展開するラヴァル・モンローさんにお話を聞きました。バハマ出身のラヴァルさんは現在ワシントンD.Cを拠点に制作活動を続けています。

 新型コロナウイルス感染症の影響により、来日しての制作活動をすることができなかったラヴァルさん。コロナ禍において作品について考える中、新たな発想があったとのことです。

参加者(順不同、敬称略)

ラヴァル・モンロー、北川フラム総合ディレクター、豊福亮アートディレクター、いちはらアート×ミックス実行委員会

 

北川総合ディレクター(以下、北川D):
 この間、ラヴァルさんはどのような生活を送っていましたか?

 

ラヴァル・モンローさん(以下、ラヴァルさん):
 このパンデミックの間はずっとスタジオにいて、絵を描いたり作品をつくったりしていました。

 隔離された状態が続く中で、「家族」をテーマに、様々な家族の形態を模索するような作品をつくるようになりました。父、母、子といった伝統的な家族の形態のほか、様々な形態が現れてきたことが影響しています。そこには個人的な感情も反映されているように感じます。コロナ禍を過ごす中で、自分を顧みるような作品をつくるようになりました。

 

北川D:
 ラヴァルさんが描かれた絵を拝見しましたが、そのようなものを感じました。

  

 

北川D:
 市原での作品について教えてください。また、会期が延期となったことによって変化することはありますか?

  

ラヴァルさん:
 作品のプランを考えていた時と今とでは、考えが全く変わってきています。

 元々考えていた彫刻的なプランはキープしつつ、現在取り組んでいる平面的な作品を組み込むことができないかと考えています。また、彫刻的な部分はアクセントのひとつとなり、平面的な部分が作品の中心になるのではないかとも考えています。また詳しくご相談させてください。

 

北川D:
 アーティストの皆さんが考えていることを尊重したいと思っています。状況はまだわかりませんが、日本に来ていただき、お会いしてお話することを楽しみにしています。

 

ラヴァルさん:
 今のところ二つのオプションがあると考えています。ひとつは、私がアメリカのスタジオで絵を描いて日本に送り、展示していただくこと。もうひとつは、彫刻と絵が共存し、呼応するようなインスタレーション作品とすることです。

 

 

北川D:
 先日「Artist’s Breath」(https://www.instagram.com/artistsbreathpress/)に6月のワシントンD.Cの状況をビデオでお送りいただきましたね。現在の状況を教えてください。

 

ラヴァルさん:
 私は現在ボルチモアに住んでいます。ワシントンD.Cの中心地から車で1~2時間の位置にあります。

 ビデオをお送りした頃は毎日のように抗議活動が起こっていましたが、現在私の周りではそれほど頻繁には起こっていません。しかし、そのような活動が無くなってしまったわけではなく、対話は続いています。小さな集会もいくつか開催されています。

 

北川D:
 現在は移動などに制限がかかっていますか?

 

ラヴァルさん:
 移動に関しての制限はほとんどなくなっています。飛行機は国内便が徐々に再開しており、先日ワイオミング州に行きました。マスクをしたり、消毒をしたりするよう指示はありますが、元の日常に戻りつつあるように感じます。レストランやバーもオープンしています。

 

北川D:
 ありがとうございます。

 

ラヴァルさん:
 日本に行くのを楽しみにしています。ペインティングの準備を進めておきます。

 

 

北川フラム総合ディレクター アーティストWEBインタビューシリーズ
vol.1「コロナの状況下においてアーティストが持つ希望」
vol.2「離れた場所でのコミュニケーション」
vol.3「国境を越えて」
vol.4「作家の小さな日常の変化」
vol.5「時差12時間」
vol.6「リモート撮影会?」
vol.7「公共空間の新しい可能性」
vol.8「変わっていく作品」
vol.9「長い夏休み」
vol.10「大野昆虫記」
vol.11「島国で暮らすということ」