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北川フラム総合ディレクター アーティストWEBインタビュー vol.6「リモート撮影会?」
今回のインタビューは中国から参加される馬良(マー・リャン)さん。いちはらアート×ミックスでは牛久商店街に滞在して写真館を開き、地域の方々や来場者の皆さんとフォトセッションを行う予定でした。
新型コロナウイルスの影響を多大に受けた中国で、アーティストはどのような状況にいたのか聞きました。
参加者(順不同、敬称略)
馬良(マー・リャン) 、北川フラム総合ディレクター
北川総合ディレクター(以下、北川D):
馬良さんは早いうちから市原に来られて、地域に入り込み制作を続けてくださっていました。芸術祭会期中も馬良さんの他、演者の皆さんと一緒に市原に滞在する予定で準備を進めてくださっていましたが、この状況でストップしてしまいましたね。
この状況の中、どのような生活を送っていましたか?
馬良(マー・リャン)さん(以下、馬良):
私は今上海の自宅にいます。本当は2月から日本に行く予定で準備をしていました。航空券やスタッフのビザも取得し、あとは出発を待つだけ、というところでしたがパンデミックが起こってしまい市原に行くことは叶いませんでした。
2月末からずっと家にいて、全ての仕事、全ての物事がストップしている状態でした。毎日家にいて、食料、生活用品をどうやって買えばいいか本当に心配でした。
この状態が2月から5月中旬まで続き、5月下旬からようやく通常の生活を送ることができるようになりました。
北川D:
中国では既に省を越えて動くことができるのですか?
馬良:
中国内部では動くことができます。2週間前に深センに行きました。日本はどのような状況ですか?
北川D:
5月下旬まではできるだけ外にでないような生活を送り、仕事も家の中でしていましたが今は緩和されています。今月下旬から県をまたぐことができるようになるのではと言われています。中国と違う点は、あくまで「自粛」ということで罰則はない点でしょうか。
生活形態はかなり変わってきました。今後どうなっていくかはわかりません。
来年、市原に来ていただくことは可能だと思いますが、現時点では行き来することが難しい状況です。
馬良:
上海では、外に出る時は今も毎日マスクをつけています。
北川D:
今年私が関わる予定だった芸術祭は全て延期となりました。作品のほとんどは完成しましたが、今は準備などストップしている状況です。
馬良さんが牛久商店街で発表する作品も見せていただきましたが、たくさんの人に来ていただけると思います。作品も保管しています。
馬良:
来年市原に行って、完璧に仕上げたいと考えています。
北川D:
もし今年開催することになっていたら、馬良さんからリモートで指示をいただきながら撮影会を開催しようとしていましたね。
実現していたら面白い試みだったと思います。
馬良:
それは私も今までやったことのない方法なので面白そうですね。
北川D:
この状況の中でどんなことを考えていたか教えてください。
馬良:
この数か月間は外に出ることも、仕事をする機会もなく、日本を含め他の国の人との交流もストップしていたので本当に焦っていました。
仕事への意欲はものすごく高く、どうしても制作活動をしたい、など色々なパッションがありました。
ようやく仕事を再開することができて、いくつかの作品のプロジェクトを進めています。
北川D:
新しくやりたいことなどができたんですか?
馬良:
そうですね、最近はインターネットでミーティングをする仕事が多いので、実際のものを撮るのではなく、スクリーンに映っているものを撮る、という新しいプロジェクトを考えています。
この状況の中で経験したことがきっかけとなり考えたプロジェクトです。
北川D:
市原湖畔美術館では現代中国美術展が再開しました。
馬良:
私も来年また市原に行くことを楽しみにしています。たくさん準備をしているので、もっと良い作品にしたいです。
いちはらアート×ミックス実行委員会事務局:
牛久商店街の皆さんもまた馬良さんがいらっしゃることをお待ちしています。
馬良:
この状況になってしまって商店街の皆さんに連絡を取ろうとしましたができませんでした、また来年お会いすることを楽しみにしています。
北川フラム総合ディレクター アーティストWEBインタビューシリーズ
vol.1「コロナの状況下においてアーティストが持つ希望」
vol.2「離れた場所でのコミュニケーション」
vol.3「国境を越えて」
vol.4「作家の小さな日常の変化」
vol.5「時差12時間」