1月19日 作家 瀧澤潔さんのお手伝い@内田未来楽校

うっすらと雪が積もった1月19日。

私、サポーターの高橋は作家瀧澤潔さんのお手伝いをしました。

 

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場所は市原市の真ん中あたりの旧内田小学校です。

活動は竹トンボ作りのワークショップで使う竹材料や、針金ハンガーを使った展示の準備をしました。

 

とても賑やかでした。

サポーターは私だけだったのですが、旧内田小学校を管理する地元の団体「報徳の会」の皆さんや、近所に住む小さな姉妹とも一緒に活動したからです。

全部で15人近くの人が集まり、建物の改修作業などを行い、工具の音と笑い声が常に聞こえていました。

 

私は竹トンボの材料を準備していました。

切った竹に穴をあける作業です。

 

この作業にはボール盤(という名前であっているはず)という電動のドリルを上げ下げして穴をあける機械を使います。

私はこの機械を使うのが初めてで、使い方を教わるわけでもなく、「何となく」で使っていました。

 

黙々と作業をしていると、私の後ろに近づいてくるおじいさんがいます。

何も言わずに立っているのです。

背中に視線を感じながら、「え、なんだろう? 何か言いたいことでもあるのかな?」と、居心地の悪さを感じながら作業を続けました。

 

近づいてくる人が一人、また一人と増えてきます。

 

「軍手を外した方がいいぞ」

しばらくして、見ていた一人がぽつりと口にしました。

 

私は軍手をして作業をしていました。

それだと回転するドリルに巻き込まれる恐れがあるので、とった方がいいというアドバイスでした。

そのことを気にかけてずっと私を見ていたのだろう、と腑に落ちました。

もっともな意見だ、と素手で作業を続けました。

 

その後も、観客は動く気配がありません。

私は自分がまだ何かの間違いをしているようで、そわそわしてきます。

 

そしてまた、忠告がありました。

 

「向きが違う」

そう言って機械を動かしました。

 

私はボール盤をおかしな向きで使っていたのでした。

ミシンを使うように機械の長い辺と体を平行にしていたのですがそれは間違いでした。

正しくは体を短い辺と向き合わせて使うようでした。

 

苦笑いでした。

かなり恥ずかしい思いをしました。

 

それ以降、堰を切ったように発言があふれました。

 

「機械の高さはこれくらいがいい」

「ここのベルトを変えればドリルの回転数が上がり仕上がりが良くなる」

「形の悪い竹に穴をあけるのにはだな……」

「そもそも竹トンボを作るのには最初に大きさを決めて……」

「オレの子供のときは……」

……

 

 

など、我先に、競い合うように、次ぐから次へと言葉が出てきます。

時には率先して体を動かしてくれることもあります。

 

あっけにとられながら、アドバイスに従って作業を進めました。

 

正直に言って私には理解が難しいことばかりでした。

聞きなれない言葉があり、訛りもありました。

同じことを何度も言われることもあれば、話が全く違った方向に進むこともありました。

今まで喋っていた人が急にどこかに行ってしまい戻ってこないこともありました。

 

作業が一段落しそうな頃になってやっと私にも余裕が出始めると、とても活き活きと教えてくれていた顔が目に入り始めました。

 

ふと、「これはこれでありかもな」と思いました。

 

馴れないことをするのは大変でした。

でも、新しいことを知れたり、新しいことを感じたりできました。

人と関わりあうことで得られる満足感がありました。

それらはどれも普段簡単に受けるものとは違っていました。

 

そういうものを求めて私はまた活動に参加するのだと思います。

 

最後に写真をちょっとだけ。

展示用の竹トンボを作る方々と、お昼にいただいた自然薯ご飯です。

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